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まなびらぼ

時間がない社会人の学びをテーマに記事を書いています。

「政治を日常化する」ー『ウェブで政治を動かす!』

読書

Moving

 

相変わらず過去の記事を掘り起こしていますが、これは4年ほど前に書いた記事です。この4年でネット選挙が解禁となり、著者の政治メディア「ポリタス」が立ち上がったりと状況は大きく変わってきました。

ただ、状況は変わってもこの「政治を日常化する」というキーワードの輝きは失われていない。というより「政治を日常化する」という方向に状況は変わってきています。

政治にまつわる一般意志2.0とか液体民主主義とか可能性を感じさせるシステムがあるなか、自分の子供にどんな社会を贈ることができるのか、真剣に考えていかなければならないと改めて思いました。

目次

はじめに
第1章 政治的な無関心は何を引き起こすのか

  • 筆者が政治に興味を持った理由
  • 審議会は官僚の隠れ蓑
  • 違法ダウンロード刑罰化に見る政策決定の危うさ
  • なぜマスメディアは増税法案の中身を報じ切れなかったか
  • 去勢されていくエリート
  • ”課題解決型”の日本だからこそできること
  • ウェブで「著作権問題」が動いた

第2章 ウェブでつくる新時代のデモ

  • 新たな市民運動の萌芽
  • 2012年6月29日という転換点
  • 欧州デモのお祭り騒ぎ
  • ソーシャルメディア革命
  • 日本ではなぜ暴動が起こらないのか
  • サイバーデモが動かした政治の現場
  • 現代の奇兵隊になれ!
  • 「無意識民主主義」実現のために

第3章 ソーシャルメディア+マスメディア=?

  • メディアの信頼は失墜したのか
  • 革新的な多メディア時代の連携
  • 記者実名ツイッター利用の是非
  • 落とされた情報にこそ、真実がある
  • アルジャジーラに学ぶ情報の発信法
  • 日本人の無謬主義の危うさ
  • 「新種のメディア」は生み出されるか

第4章 ネット世論を考える

  • ウェブの意見は正しい?
  • ネット票で当選はできるか
  • ブレる若者たちの影響力
  • ネット世論の限界
  • 僕らの「声」の精度を上げるために

第5章 ネット選挙にみる次世代の民主主義

  • ネット選挙とは何か
  • 広範囲・低コスト・リアルタイム
  • 若者の投票率は改善されるか
  • ネット選挙解禁の歩み
  • 政策で選ぶか、人格で選ぶか
  • データベース化される政治家たち

第6章 政治家のソーシャルメディア利用術

第7章 問われるソーシャルメディアリテラシー

  • マスメディアが喜ぶ「失言」
  • 橋下徹は何が違うのか
  • 「編集できない」ことのメリットデメリット
  • テレビの政治報道の大きな問題点
  • 災害後のトンデモ発言の数々
  • 煽られやすい政治家といえば・・・・・・
  • ウィーナー議員が拡散した「写真」
  • 「えーい、総理になっていやる!」

第8章 きみが政治を動かす

  • 政治家はメディアたれ
  • カギは編集力と集約力
  • 政策を実現するのは誰か
  • 「とにかくこの日本という国をよくしたいんだ」という思い
  • 「である」から「する」の民主主義へ
  • 被災地の”バッジなき政治家”たち

終章 ガバメント2.0が実現する社会へ

  • 政権交代がもたらしたもの
  • 可視化された行政の中抜き構造
  • ライブストリーミングの衝撃
  • オープン化、クローズドか
  • 止まらないガバメント2.0の潮流
  • ソーシャルメディアのDNAを取り込め!
  • 佐賀県武雄市の挑戦
  • シミュレーションゲームを行政に生かす
  • オンラインコミュニティの7つの原則
  • トライ・アンド・エラー革命
  • 政治のクラウド化への試み
  • 英国でも進むオープンガバメント
  • 民間のイノベーションから学ぶべきこと
  • ”実現する存在”になるために
  • 日本のオープンガバメントの希望の光

「おわりに」に代えて

年々遅くなっていく自分の読書スピードに辟易しながら『ウェブで政治を動かす!』をようやく読了しました。

私自身は本書のターゲットとはなっていない40前のおっさんです。ロスト・ジェネレーションなどと勝手に名付けられ、政治や社会に対して特に期待することなく、自分の力と身近な人々の支えを受けてこれまでやってこれたと思っています。

政治に期待することもないので選挙にはほとんど行ったことがありません。たまにこれではダメだと投票前に各政党の政策を読もうとしたりしますが、本書で指摘されているマスメディアの政局報道に汚染された目にはすべてが空々しく映り、うるさいだけの街頭演説に気持ちが萎えるどころか怒りさえ覚え、結局投票に行くことはありません。

そんな私が本書を手にとったのはやはりソーシャルメディアのおかげでありますし、このままでいいのかという想いが心の片隅に残っているのでしょうか。

内容自体はウェブに期待ができる部分や変化を起こしつつある事例が描かれると同時に立ちはだかる壁が書かれており、なかなか楽観できる状況ではないという印象を受けました。

ネット選挙が解禁されるかどうかも不透明ですし、いずれにせよ選出される政治家が劇的に変わっていくとは考えにくく旧態依然とした状況がしばらく続くでしょう。

そんなことを考えながら「『おわりに』に代えて」を読んでいるときに、ハッとさせられたのがこの「政治を日常化する」という言葉です。文章をそのまま引用すると、

インターネットが政治にもたらした最大のものーそれは「政治を日常化する」ことによる可能性だ。

本書のテーマはただ一つ。それは、「情報技術を利用して政治を日常化し、政策ベースの政治を実現する」ということだ。

恥ずかしながらここまで読み進めるまできちんと認識しておりませんでした。

この「政治を日常化する」という言葉によって、「ソーシャルデモ」「政治家=メディア」「ガバメント2.0」などのキーワードがつながりを持ち、大きな推進力を持っていることに気づきました。

極論を言えば、投票行動なんて変わらなくてもいい(変わったほうがいいけど)、政治家なんて誰でもいい(それは言い過ぎ)のです。ソーシャルメディアで日常的に声を上げ政治を動かす可能性があるのだから。

少々暴走気味で本書の内容を捉え損ねているかもしれませんが、これが率直な感想です。

また別の感想を言うと、ウェブと政治の関係は過渡期であるので当然内容的には不完全燃焼な部分が多々あります。これは「『おわりに』に代えて」とあるように、本書を読み終わっても決して終わりではないということ。

本書は著書が立ち上げようとしている政治メディアの布石なのでしょう。そういう意味では否が応でも政治メディアへの期待が高まります。

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